昨今、IT人材の需要は急増していますが、IT業界は現在IT人材の不足が問題視されています。そもそもなぜIT人材が不足しているのでしょうか。今回はその原因と今後の対策についてご紹介します。
なぜ足りない?IT業界の人材不足の5大理由
IT業界の人材不足の理由は、大きく分けると5つ存在しています。具体的に説明するので参考にしてください。
IT市場の広がり
IT業界は日々変化と進歩を繰り返しています。IT人材に求められるものも業種によって様々なため、マルチに対応できる人材が少ないのが不足している要因の一つです。
IT業界・IT人材に対する悪い印象
IT業界にいいイメージを持っている人はどのくらいいるでしょうか。今やメディアなどでも紹介されるほど注目の業界となっていますが、紹介される中でもどちらかというとネガティブなことが多いので、これらもIT人材人手が不足している要因の一つとなっています。
具体的にIT業界のネガティブな印象としては、「きつい」「帰れない」「厳しい」の3Kが通説として挙げられます。これらは噂ではなくリアルでもあるということもIT人材不足の要因です。
IT人材の収入の低さ
IT業界は上記のような状況にも関わらず、払われる給料が安いこともIT人材不足の原因になっています。実際、少し前までは年収が1000万円を超えるエンジニアがたくさんおり、給料が高いからと一生懸命働く方も多かったので、IT人材不足になることはありませんでした。
しかし、現在では受注した仕事を下請けに、そして更に下請けが下請けに外注する二次下請けというのも頻繁に起きています。その中でも特に下請けや二次下請けで受注しているエンジニアの場合、単価は低く、給料も少なくなっているケースが多いです。これだけ作業がきついのにも関わらず、給料も低いとなるとIT人材不足になるのは当然の結果ですね。
WEB・ITに関しての技術の変化の激しさ
WEB・ITに関しての知識は、一度身につけてしまえば終わりというわけではありません。IT技術は移り変わりが早く、技術の進化に伴ってIT人材はスキルアップをしなければならないので、常に学び続けなければなりません。きつい仕事となるので、これも若いIT人材が就職したくないと思う理由となり、IT人材不足にもつながっています。
IT人材の高齢化と少子化
1995年以降にインターネットが爆発的な普及をしましたが、その頃からITエンジニアが年々増加傾向となっており、人材不足という声もあまりありませんでした。
しかし、その当時のエンジニアたちも今や定年を迎える年齢となっています。実際に10年後や20年後にはほとんどのエンジニアが定年退職を迎えることとなるので、企業は若者のIT人材が不足していると焦っています。実際に現在は少子化社会となっているので、思うように若者の人材が集まらず、不足しているのが現状です。
IT人材不足改善のための施策とは?
人材不足とならないために企業はどのような対策をすることが大切なのでしょうか。
IT人材に対する待遇の改善
IT人材不足を解消したいなら、まずはIT人材にとって働きやすい環境にしなければなりません。日本のIT人材は常に長時間労働をしているイメージを海外からも持たれており、実際にそれが原因で多くの人たちが精神科に通ったり、仕事を辞めてしまったりしてIT人手不足につながっています。
若者のIT人材不足を解消したいなら、まずは待遇の改善をしなければなりません。例えば働き方を変える事や、給料を上げることも重要です。その他にもしっかりと休みを与えるなど、若いIT人材が入りたいと思ってもらえるような形に仕上げることが、人材不足改善のために大切です。
IT人材の教育の充実
IT人材が不足しているからと言って海外から人材を集める企業も少なくありません。しかし、それでは新しいIT人材を育てるのは難しいでしょう。It人材が不足している状況を改善するためには、しっかりとした教育をしていくことが重要です。日本では見て覚えるという教育などもしていますが、現在の若者には通用しません。しっかりと理解するまで一から教えてあげることが人材不足を解消するために重要な方法なのです。
クライアント側のIT人材に対する理解
発注する側のクライアントの中には、システムについて全く知らず、無理難題を押し付ける方もいます。無理な場合はできないと言うのが大切ですが、なかなか受注側のIT人材は断ることができないのが現状です。そのため、クライアント側のIT人材に対する理解も大切となっています。
現在では、無理難題を押し付けないようにしたり、安心して作業ができる工数を見積もったりなど、改善はされてきています。こういった改善も人材不足改善に繋がるでしょう。
マイナスイメージの払拭
IT業界はマイナスなイメージが多く出ていますが、これらを払拭できない限りはなかなかIT人材不足を解消することは難しいでしょう。
人材を不足させないためには、企業がIT人材に対して働きやすい環境を整えることが大切です。
今後ニーズが高まる期待がされている業種とは?
IT業界の中でも、今後ニーズが高まる業種は何か知りたい方も多いでしょう。ここでは5つの業種について詳しく紹介します。
IoT(Internet of Things)
IoTとは、分かりやすく説明するとモノとインターネットをつないだサービスのことを言います。例えば、テレビや冷蔵庫、パソコン、スマホなどがあり、これらがインターネットと繋がることで、効率よく便利に家電を使えるようにしようという取り組みが現在では進められています。生活が豊かになるサービスなので、今後の需要は高まると言われています。
AI(人工知能)
AIはメディアでも取り上げられているので、IT業界に詳しくない人でも知っている方は多いでしょう。AIは今後注目を集める業種となっており、特にAIに関するスキルを持っている人は長く活躍できるIT人材になると言われています。
VR(仮想現実)・AR(拡張現実)
VRとは仮想空間を疑似体験できるツールのことを言いますが、現在ではゲームなどにも使用されており、メディアでも多く取り上げられています。今後はゲームにとどまらず、医療や産業にも導入される見込みです。そのため、VRについてのスキルを持っている人は長く活躍できる可能性が高まります。
クラウドコンピューティング
現在では自社サーバーを構築してその中にシステムを作るやり方をしている人もいますが、今後はクラウドのプラットフォームを使用したサービスが主流となります。そのため、クラウドサービスを使えるIT人材の需要が高まると予想されています。
ビッグデータ解析
ビックデータ解析とは、その名の通り大きなデータを解析できるスキルです。また、マーケティング結果としてまとめ、新商品や新戦略を立てられる人は出世もしやすく、長く活躍できるでしょう。
まとめ
今回ではIT人材の不足と対策について紹介しましたが、まだまだIT業界の人材不足は解消できていません。今後は更に対策を進めていく必要がありそうです。
実際に悪いイメージもまだまだありますが、需要が期待される仕事は今後増えていくと言われています。将来IT業界に入りたい方は、しっかりとITのスキルは学んでおいた方がいいでしょう。