PHPはWeb開発に使われる言語で、サーバーで実行されます。PHPはWordPressなどのCMSでも使われる言語であり、プログラミング言語の中でも有名です。これからPHPで開発を行うことを検討している人の中には、フレームワークの選択に困っている方も少なくないでしょう。今回はPHPのフレームワークについての基礎情報やおすすめのフレームワークをご紹介します。
Contents
そもそもフレームワークとは?
フレームワークとは、開発するアプリケーションの基礎部分のことになります。フレームワークはアプリケーションの骨組みや枠組みとなるため、ソフトウェアにおける重要な部分のひとつになります。
フレームワーク導入のメリット
PHPでフレームワークが使われるのには理由があります。その理由とは導入することでメリットが得られるからです。具体的なメリットは大まかにわけて3つです。
進捗スピードの向上
フレームワークはアプリケーションの土台です。もし導入すれば、土台が出来上がった状態からアプリケーションの制作ができます。つまり、土台部分の開発が必要ないので、進捗スピードを高めることができます。
バグが発生しづらい
アプリケーション開発にバグはつきものです。優秀なプログラマーでもバグを発生させてしまうことは珍しくありません。バグを少なくするために、正確にプログラムを書いても、そのサービスを利用するのはユーザーなため、予期せぬエラーが発生することはたくさんあります。
フレームワークを使うことでバグを回避しやすくなります。そのため、Webアプリケーションのテスト最中に、バグに遭遇し、その修正に時間がかかることも少なく、開発効率を向上させられます。
コードを統一できる
フレームワークはコードを書く時のルールになります。プロジェクトには複数のプログラマーなどが携わるので、コードの書き方がバラバラだと、コードを確認する時や保守の際に効率が悪くなります。フレームワークを導入することで、コードの書き方が統一されるので、開発や保守がしやすくなります。
フレームワーク選定の基準
PHPで開発する人が抑えておきたいフレームワークの選定基準は3つです。
フレームワークの特徴から選ぶ
それぞれのPHPフレームワークで特徴が異なります。そのため、開発したいアプリケーションに備えたい機能などに合わせて選択することが求められるでしょう。
フレームワークの情報量から選ぶ
フレームワークは外国で作られたものも多くあり、フレームワークの種類によっては日本語の情報が少ないものもあります。もし日本語で情報を収集できないと、開発の進捗に影響を与えるため、検討する必要があります。
フレームワークの価格から選ぶ
PHPフレームワークは無料のものが多いですが、有料のフレームワークもあります。そのため、無料か有料どちらを使うべきか確認して選択する必要があるでしょう。
主流フレームワーク5種類の特徴とメリット・デメリット
早速、日本で使われている主流のフレームワークを見ていきましょう。今回、5種類のフレームワークをピックアップし、特徴とメリット・デメリットをご紹介するので、フレームワークを比較する時や選ぶ時に活用して下さい。
CakePHP
CakePHPは無料で使うことができるPHPオープンソースフレームワークです。非常に多くのアプリケーションに使われており、実績も豊富にあります。
・特徴
CakePHPの特徴はO/Rマッピングが採用されていることです。そのため、長いSQL文を書くことなく、データベースから簡単にデータの取り出し、書き込みができます。
・メリット
CakePHPのメリットは簡単に導入ができることです。CakePHPはFTPソフトなどを使用してアップロードするだけで、導入が完了するので、フレームワークの導入に時間や手間がかからないというメリットがあります。
また、複数のPHPバージョンに対応していることもメリットです。PHPは現在、PHP4とPHP5が主流ですが、PHPフレームワークの中には片方にしか対応していないものも多くあります。しかし、CakePHPはPHP4とPHP5の両方に対応しているので、さまざまな環境に合わせて導入することが可能です。
・デメリット
デメリットはCakePHPで実装されたシステムは信頼性が低いと評価する人もいることです。CakePHPはPHPに関して深く知らない人でもある程度のアプリケーションを作れてしまいます。そのため、一部の人の中にはアプリケーション開発にCakePHPを使用しない人もいます。
Zend Framework
Zend Frameworkは比較的新しいPHPフレームワークでZend社が支援しているスクリプトエンジンです。
・特徴
特徴はPHPバージョン5.1.4から導入できるフレームワークであることです。また、MVCモデルが採用されています。
・メリット
メリットは柔軟に使えることです。Zend Frameworkは数多くのコンポーネントが搭載されています。そのため、アプリケーションのフレームワークとして使うだけでなく、ほかのフレームワークにZend Frameworkを組み込んで使うことも可能です。
また、Zend Frameworkには比較的新しいフレームワークですが、日本語での情報が多く導入しやすいこともメリットです。
・デメリット
デメリットはPHPバージョンが5未満の場合、使用できないことです。そのため、Zend Frameworkを使うためにはPHPバージョンを5.1.4まで上げる必要があります。
Symfony
SymfonyはアメリカのYahoo!が導入しているフレームワークのひとつとして知られています。Yahoo!が運用するサービスは大規模なため、大規模開発に使えるPHPフレームワークのひとつです。
・特徴
Symfonyの特徴はオブジェクト指向プログラミングで開発ができることです。そのため、ほかのプロジェクトをインポートして、機能を使うこともできます。
・メリット
Symfonyのメリットは昔からあるPHPフレームワークであることです。つまり老舗ということになります。そのため、安定性に優れたPHPフレームワークとして定評があります。
・デメリット
デメリットは昔からあるPHPフレームワークにも関わらず、導入実績が少ないことです。実際に世の中に公開されているWebアプリケーションの中でSymfonyを使って開発されたサービスは少ないと言われています。また、ほかのフレームワークに比べて使い方が複雑で難易度が高いので、初心者向けのフレームワークではありません。
Laravel
Laravelはララベルと読みます。近年、注目を集めているPHPフレームワークです。
・特徴
Laravelの特徴はほかのフレームワークに比べて多機能なことです。また、実行速度が遅いことも特徴のひとつです。
・メリット
メリットはLaravelで書くコードは読みやすいことです。そのため、保守もしやすくなっています。また、世界で人気が高いこともメリットです。人気が高いということは、それだけ多くの人に使われているフレームワークという意味になります。つまり、高い信頼性や安全性を期待できるでしょう。
・デメリット
デメリットは日本の企業でLaravelを導入して開発している企業が少ないことです。また、CaKePHPに比べて初心者向けではないため、学習ハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
CodeIgniter
CodeIgniterはオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。2006年に初めて公開され、いくつかの改良を得て、現在ではCodeIgniter3が普及しています。
・特徴
特徴は処理速度重視で作られていることです。フレームワーク速度が速いので、軽量に動作するWebアプリケーションを開発できます。
・メリット
CodeIgniterのメリットは構造がシンプルなことです。CodeIgniterもMVCモデルを採用しており、構造がわかりやすいです。また、ユーザー会が日本でも開催されており、仲間が集う場が準備されています。
・デメリット
デメリットは独学での学習はなかなかハードルが高いことです。CodeIgniterを中心に解説した参考書は比較的少なくなっています。
まとめ
PHPフレームワークには複数の種類があります。選ぶ時は開発に何を重視したいのかをあらかじめ考え、要件に合ったフレームワークを選択するようにしましょう。