「好きで活きて得意で稼ぐ」PROsheetブログ担当のたぐちです。
本日は株式会社バイラルワークス代表の早川大地さんのインタビューをお届けします。
エンジニアでもあり、またミュージシャンや音楽プロデューサーとしても活躍していらっしゃる早川さん。異色の経歴や仕事観などについてお伺いしました。
大学院在学中にミュージシャンとしてデビュー
__現在のお仕事はどのような事をメインにされているんですか?
今はデジタルを使ったメディア・エンターテイメントのPR関係をやってます。テレビ番組や商品だったり、ミュージシャンの人達などのPRをデジタルでどう支えるかという事をやってます。
__改めましてご自身の経歴・キャリアについて教えてください。
僕の経歴は少し変わっていて、元々ミュージシャンとして音楽プロデューサーとして自分のバンドでデビューして、サウンドプロデュースをやっていたんですね。そこから人に曲を提供したり色んな事をする中で、プロモーションをー例えばSNS、当時はMySpaceに強いプロデューサーとして外からは見られていたので、そんな中でPR関係、アプリやPRのためのミニゲームだったりとか、そういったもの、アイデアとデジタル技術を活かしてどうやって世の中のリアルなコンテンツにアピールするかという仕事を任せられるようになって今の会社を作るに至るって感じですね。
__エンジニアとしては変わった経歴ですよね。
不思議ですよね(笑)。あとウチは音楽制作もやっているので、音楽も書きますし、ゲームなどの制作もやりますね。
__かなり多岐に渡りますね。
そうですね。そういう意味では多岐に渡っているのですが、音楽とデジタルというジャンルでは一本化しているのかなという感じですね。
PRアプリを作りたいっていう会社さんはあるんだけど、メディアとかエンタメに強いところってそんなになくて、そこが我々の特化している部分かなと思います。

__早川さんご自身は今でもプログラミングをされているんですか?
東京大学の大学院に居た時にミュージシャンとしてデビューしてからもずっとコードを書いていて、今でもプロジェクトによっては書いていますね。
__凄いですね。マルチクリエイターですね。
ミュージシャンやってた時も歌詞とかプロデューサーとしての資料をラテフで作ったりしていましたね。
音楽って結構理系のものだと思っていて、そのメディアとしてデジタルに親和性があるもの、今音楽業界の人が思っているもの、SpotifyだとかiTunesで販売するっていうことももちろん大事なんだけど、そこには僕は興味がなくて、もっと音楽という形態を変えていく、3分間の曲が入ったCDを売るんじゃなくて、例えばアプリだと音ゲーなんかの音楽というのも生きた音楽としてリスナーに届くものだし、ウチが最近作ったものだとティッシュペーパーをかざすと音楽が聴けるとか、プロモーション用で作ったものだとか、そういったものがもっと有機的に人がCDとかMP3とか通すんじゃなくて、有機的に音楽に関わっていける場を作るっていうのが1つですね。
__なかなか他のエンジニアやミュージシャンの方が行き着かない発想ですよね。
そうですね。特にプログラマー向けのメディアだと思うんですけど、プログラムを書かれている方ってやっぱりほどいると思うんですよね。やっぱりそこで自分だけが、他のプログラマーには出来ない事で自分が出来ることはなんだろうと探るっていうのは凄く大事な事だと思っていて、ウチはそういう意味で言うと、音楽やアートに関するデジタルはウチが一番ですと思っています。
__そもそも音楽をやろうとしたキッカケは?
ずーっと子供の頃から習ってたんですね。でも、やろうと思ったのはパソコンを買ってからですね。
__DTMですか。
そう。ローランドから出てるセットを買って。その前はコードで音楽を鳴らすっていうのがあって。
シンセサイザーって基本的にはプログラム、BASICでいじれるから。
__前々からも触ってはいたんですか?
そうですね。それこそ普通に楽譜をコピーしてみたりとか、コードを打ちながら作る仕組みがあるんですよ。
__DTMで楽曲制作をするようになってからプロフェッショナルとしてご自身で音楽活動をされたり、アーティストに楽曲制作をしていこうと考えたのはいつ頃なんですか?
いつ頃…それは、プロであるかどうかというのはあまり関係なくてそれに対してお金を貰えるか貰えないかあまり今でも関係ないと思っていて。アート的な分野だからビジネスとは切り離されるんですよね。
音楽を形を変えて届けるというのが我々のポリシーに近い
__現在進めていらっしゃるプロダクトってどういうものがあるんですか?
たくさんあるものの、クライアントワークはお見せ出来るものがないのですが、自社ではmutyっていう音楽レッスンのサービスを運営しています。

理屈としては英会話のオンラインレッスンの音楽版ですね。
後は、PR関係は受託のものが多いですね。コンサルティング的なお仕事をしていますね。いざこれからコンサートをやる、このプロダクトを発売する、どうCMしたらいいですか?みたいな。
__オンラインレッスンは現在ピアノだけなんですか?
そうですね。でも実際はアレンジャーになろうとしている方が多いですね。ピアノコースなんだけど。
ピアノの講師って地方にもいるんですけど、例えばアレンジが出来る人ってプロは皆東京にいるんですね。
地方では仕事がないので。
__そういう需要があるんですね。
そうですね。地方の若い学生さんとかが学んだりとか。
__アレンジャー志望の方が多いんですか?ミュージシャン目指してたりバンドやってたりとか。
というより、最近は「演奏してみた」が多いですね。
__ニコニコ動画とかYoutubeとかによくあるやつですね。なるほど。それも時代の流れですね。
そうですね。全然違う仕事をしている人が趣味でやってるというのが多いみたいですね。
__今後の目標などをお聞かせ頂けますか?
今年の目標は楽器を作る事なんで。
__IoTですか。
そうですね。ただハードウェアのノウハウがないので寧ろ皆さんに教えて貰いたいくらいなのですが(笑)
今子どもたちとワークショップをやっていて。学校でiPadって配られるじゃないですか。それでどうやってハードウェアとデジタルとを組み合わせて、初歩の音楽教育に組み込めるかというのをチャレンジしています。
そういう意味で言うと、ウチは音楽講師が所属していたりするので、彼らが学校教育の現場で教えていたりするので、そういった現場のノウハウから逆算していって、きちんとプロダクトを作って最終的には学校教育に入るといいなという。それは夢としては先の話なんですけど(笑)。
学校教育の現場って本当に進んでいないんですよね。先生方がわかんないから。
__リテラシーの差が。
そうですね。そういうところもデジタルを使って、音楽を形を変えて届けるというのが我々のポリシーに近いのかなと。
__音楽にはずっと関わっていくというのは変わらない?
そうですね。もうここまでやってきて、変えるのは無理(笑)。やっぱり得意分野はどこかって絞らないと、特にフリーランスエンジニアの方はやっていけないと思います。我々みたいな小さな会社はそういう意味で特化していかないと。
__ITと音楽、両方やられている会社って他にはあるんですか?
たぶんほぼないと思います。そこをワンストップでやれて音楽制作をしたり、(音ゲー等の)アプリの相談であったりとか、ひと通り出来るってのはたぶんいないと思います。元々音楽業界の人間なので、そういう意味で言うと話が早かったり。
音楽の未来学者になりたい

__今後の話、10年後20年後も踏まえて教えてください。
そういう意味で言うと、基本的には変わらないのですが、短期目標としては楽器を作る、音楽とデジタルのビジネス領域を広げる、その2つですかね。それは3年〜5年くらいの目標かもしれないですね。
10年後はたぶん何もかも変わっていて、スマホのアプリを作るっていう商売はたぶんもうないと思いますんで。
__デバイスとかも形が変わりますよね。
今から10年前ってYotubeも無かったし、ちょうど僕は10年前にデビューしたんですけど、その頃と比べると凄くTechが違うなと(笑)
__音楽業界もビジネスの形も(笑)iTunesっていつ頃生まれたんでしたっけ?
iTunesはそのちょっと後くらいかな。
__当時ってまだCDも売れて…
当時はCDもそれなりに売れてました。CCCD(コピーコントロールCD)とか話題になりましたね。ちょうどその時代ですね。
__すぐになくなっちゃいましたね(笑)
で、逆に言うとまだCDが一応出てるから、まだあるんだみたいな。
もしかしたら10年後にはもっと出てるかもしれない(笑)。
__音楽業界の変化によって早川さんご自身のビジネスが変わる可能性は?
音楽業界という言い方ではなくて、各PR業界の中の音楽の使い方に長けた人やグループがあったりだとか。直接リスナーが楽しめるデバイスやアイテム、それこそ楽器もそうですし。究極的には脳から出たものが全て再現されるとベストかなみたいな。
__ちょっと怖いですね。
10年くらいのスパンだとそれもあるかもしれない。
こういう話好きなんですよね。それこそ最近言われだしたシンギュラリティが2030年のちょっと前だみたいな。
脳波まではまだ先かもしれないですけど。
「未来学者」っていうのが好きなんですけど、僕は音楽の未来学者を目指したいですね。
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