こんなの欲しかった!世界最小の落し物追跡タグ「mamorio」が実現する「なくすを、なくす」未来とは?

落と物ドットコム

 
「好きで活きて得意で稼ぐ」PROsheetブログ担当のたぐちです。

さて、本日はポータルサイト「落し物ドットコム」の運営や落し物追跡タグ「mamorio」を展開している株式会社落し物ドットコム代表の増木大己さんのインタビューをお届けします。

なくす、をなくす

落し物ドットコム

落し物ドットコムWebサイト

__創業経緯のお話も含め、なぜこのプロダクトを作ったのか、教えていただけますか?

『なくすを、なくす』というコンセプトでずっとやっています。なんでこんなことをやっているんですか?って聞かれるんですけど、基本的にものをなくすってところって感情としてはかなりネガティブなのに、それを解決するサービスや製品って世の中にはないんですよね。僕が証券会社で働いていた頃、上司とかがiPad使っているんですけど、金融機関だと入ってる情報が機密情報やインサイダー情報だったりするので、やはりかなり大きな影響があるんですね。それこそ金融庁に報告しないといけないとか。でも結局なくした本人があちこち探し回わったりしなきゃいけない。なんとかそれを改善する事が出来ないかなと思って、それで色々と考えたところ、サムライインキュベートさんに出会って、「面白そうだから出資するよ」って、ではいっちょやってみるか、って作ったのが経緯です。

元々僕証券会社にいたんですけども、IPOを担当する部署にいて上場しそうな企業を探してくる仕事をしていまして、比較的色んな企業や社長を見てきた経緯があったので、自分たちでも作りたいなと思ってて。

__刺激を受けたんですね。

そうですね。ただあまり何をしようかというのが思いつかなかったので、どうせやるなら(誰も)やった事ないことをやりたいなと思って作ったのが経緯です。取り敢えずウェブサイトがあればいいんじゃないかと作ったのが「落し物ドットコム」っていうポータルサイトですね。落し物をした時にネットで検索したりどうしたら良いのかっていう情報と、忘れ物の掲示板ってあると思うんですけど、それをオンライン化出来ないかなと思って作ったサイトです。

落し物の根本的な解決を目指してmamorioを作った

mamorio

mamorioのWebサイト

ただ、Web上だけではこの問題は解決出来ない事に気がついて、更にどうやってマネタイズするのかという事もあってリターンタグっていう仕組みを作りました。スマートフォンにフリーダイヤルと「拾ったらこちらへ」っていうメッセージのあるシールを貼って、拾った方が電話してくれると、私達の会社が拾った方と落とした方の間に入ってかわりに回収やサポートをするっていう仕組みですね。結構iPadを持ち運ぶ法人が増えてきたので、法人向けに提供していこうと考えていました。ただ、これってなくした後に返却するっていう形だったので、なくさせないというところは上手くいかなかったんですね。で、そこを上手くつくれないかなと思って作ったのがmamorioです。

これはBluetoothの小さなタグが入って電波を出しているのですが、それをスマートフォンがキャッチして、一定以上の距離を離れると反応して「忘れてるよ」っていうのを教えてくれたりとか。半径30mくらいの電波を出しているので、自分じゃなくても他のユーザーが代わりにキャッチしてあげたら、ここであったよってのを送ってあげる。そういう形で皆で探すっていう事が出来る製品です。

スタグ自体にGPS機能をつけると、端末に高い性能が必要で、バッテリーをかなり消費してしまい、どうしても稼働時間が短くなってしまって端末が大きくなっちゃうんですね。なので、コンセプトとしては、皆がスマートフォンを持ち歩いてるんだから、通信とかGPSはスマートフォンから借りてきてあげようっていう発想です。なので小さく出来るし、長持ちするし、低コストで出来ます。ただ、人が増えれば増えるほど見つかりやすくなるんですけども、人が少ないと見つかりずらいし、位置情報も不安定だったりっていうデメリットもあります。

では、どれくらいユーザーがいれば見つかるんだっていう所なんですけども、計算すると、例えば東京都なら約3000人弱ユーザーがいればトラッキングが出来るという事が分かったのでまずはそれを目指そうと、日本全体で言えば約9万人ですね。これぐらいを目指そうと。もちろん精度をあげるためにはもっとたくさんの人が必要なので、どれだけたくさんの人にMAMORIOを使ってもらうかっていうのを今考えています。

で、僕達は年間3,500円でサービスを提供したいと考えていて、クラウドファンディングで約300万円のご支援をいただいて、今、生産に向けて動いています。落し物、という珍しい領域をやっていることもあり、ありがたいことに多くのメディアや企業様から、紛失や落し物という領域でお問い合わせをいただいております。また、つい最近も京都で開催されたIVSというカンファレンスで賞を受賞することができました。

世の中を「なくす」という視点から見てみると、例えば落し物の数は年間2,200万件が実は警察に届いていて、1,000万件くらいの遺失届が出ています。後はペットですね。迷子のペットも法律上は遺失物と同じ扱いで、迷子になって飼い主が見つからず、保健所等で殺処分されているペットは年間で約15万頭くらいいてそういうのもなくしていきたいなと思っています。あとは人です。認知症患者の方の行方不明者というのも年間に1万人以上います。これらはすべて現在場所がわからないということがすべての原因なので、それらを解決していきたいと考えています。

ではどう解決して行くかってところなんですけど、これまでものをなくすと自分任せで、もしモノをなくしたらパニックになって警察に行くなり、見つかればラッキーだけど、自分で回収しなくてはいけない。結構大変ですよね。解決手段としては、モノを買った時にはmamorioがついていて、なくしてもアラートで知らせてくれたり、なくなったときもサポートしてくれる。「モノをなくした時のJAFやSECOM」って僕達は言ってるんですけども、そういう形で、なくなったときに電話するとなんとかしてくれて回収までやる。最終的にはJAFやSECOMみたいな形を目指してます。「モノがなくなるという事から開放されます、と。」

新しい価値観を作る

mamorio

mamorioの実物大。100円玉と比べてもとても小さいのがわかります。

今IoTってよく言われていますが、じゃぁ最初どいういう形でネットに繋がるの?ってなった時にシンプルなところで「このタグつけておけば無くさない」というところからスタートしていきたいなと思ってます。例えば、財布がネットに繋がるってどういう事なんだと聞かれれば、「財布の中にタグを入れておくと無くさないですよ」と言えますし。将来的には、ビッグデータとかそういう分野にも行きたいなと思っています。

ターゲットとしては、モノを買った時か、なくなった時が基本的にニーズが発生しますので、それを抑えます。またポータルサイトをやってるのでそこで販売していったりとか、最初にものを買ったときに一緒についてる。例えば「mamorio付き首輪」とか「mamorio付きランドセル」とか、後は店頭で販売して貰う。自転車を買ったら、オプションで販売するとか、そういう事が出来ないかと思ってます。そういう形で色んなところにつけて貰って応用して行きたいなと考えています。

で、mamorioの電波ってユニークな数字が発生してるだけなんですね。それをアプリ側で組み合わせてあげる事によって色んなサービスに応用出来ます。例えば自転車につけておけば盗難防止にも使えるし、アプリを作れば自転車に乗った回数を記録したりすることもできる。似たような競合もありますが、複合的なものを作りたいなと思ってます。

__私、酔っ払うとよく忘れものするんですよね

実は12月が一番忘れ物落し物が多い季節なんですよ。忘年会シーズン。

__財布とかは気をつけるんですけど、マフラーとか身に付けるものが意外と気が緩んで忘れちゃうんですよね。

それこそ将来的にはもっと小さくできたらコートとかに縫いこんで、なくした場所がわかったり落し物センターみたいなところでセンサーにかざすと持ち主まで連絡が自動的に行くとかそんなところまで行きたいですね。

小ささと消費電力を優先

__タグっていうシンプルなのがいいですよね?

実は似たようなデバイスが海外にもあるんですけど、なるべく要素を削ってシンプルにしてあげるっていう形で小さくしてるんですね。技術的な優位性といくと、小ささと消費電力のちいささという特徴があります。小さければ小さいほど色んなものと組み合わせる事が出来るので、そういう形を考えてます。

__大きいと邪魔で外したくなっちゃうんですよね。猫だと首輪ですら嫌がりますから。小さい方が有難いです。

IoTって今話題ですけど、ビジネスが難しいんですよね。モノとアプリを作らなくちゃいけなくて、コストがかかる上にどうしても小さな会社だと在庫の問題やら生産の問題が発生する。じゃあ一体誰が買うのかっていうと、単体だけだとビジネスは難しいという局面があるんですね。

GEEK GARAGE

運営するコワーキングスペース「GEEK GARAGE」。オフィスも兼ねています。

__ポータルサイトをやってる事は強みもあったりするんですか?

ポータルサイトは約40万のユーザーが使ってくれていて、結局誰に使ってもらうかってなった時に、そこに自分達のプラットフォームがあったり、親和性の高いユーザーのコミュニティーがあるっていうのは非常に有利なのかなと思ってます。やっぱり「ものを無くしたくない。そういう想いをしたくない」っていう想いをもった人が集まってるプラットフォームなので、そういう下地があるのは良かったなと思います。」

__販売はいつ頃を予定していますか?

2月末以降の予定ですが、製品のクオリティを高めるためにまだ日時は確定していません。クオリティ低いとユーザーの声が厳しいですし。また、作って届けておしまい、じゃなくてより便利なサービスになるようにアップデートをしていきたいですね。ハードウェアも、一発目から完璧のは出ないですよね。それこそパソコンやiPodだって少しずつバージョンアップしてきましたし。同じように少しずつ改良していって新しいものにしていくってことをやって行きたいです。
__「なくすをなくす」っていうコンセプトは一貫してやっていきたい?

モノを無くさないためにはどうしたらよいか?という事にはずっと着目して行きたいので、色んなデバイスや技術も含めそういう仕組みについてのリーディングカンパニーになりたいなと思っています。
今までなかったところに新しい価値観を作るのって凄く難しいなと思っていて、そこをどれだけ出来るのかっていうのがチャレンジングで面白いなと思っています。

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以上、増木さんのインタビューをお届けしました。ご協力ありがとうございました。
後日、運営するコワーキングスペース「GEEK GARAGE」のご紹介も当ブログでお届け予定です。

ではでは♪

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