【エンジニア取材】co-meeting 取締役CTO 吉田 雄哉 さん

パクえさん

「好きで活きて得意で稼ぐ」PROsheetブログ担当のたぐちです。

さて、今回は、株式会社co-meeting 取締役CTO(Chief Talk Officer) 吉田雄哉さんのインタビューをお届けします。

吉田さんは受託開発企業、企業内情報システムを経て、2011/3/14より同じ会社に勤めていた同僚で株式会社co-meetingを起業。
現在は主に「パブリック クラウド えばんじぇりすと(略してパクえ)」と名乗り、全国各地でクラウドの啓蒙活動や企業での利活用に関するセミナー、社内研修講師、技術アドバイザー等を行っております。

MSXが欲しかったのにオフィス・コンピュータを与えられ・・・

小学校の頃、北海道の片田舎に住んでた時に友達の兄貴がMSXを持っていて、それを見せてもらったらスナッチャーというゲームが凄くて、MSXが欲しいと父親に言ったけどその時は買ってもらえなかったんです。それが小4の頃。
しょうがないからマイコンベーシックマガジンを買ったんですけど、それを読んで、あのゲームができるに違いないと思っていました。

それから1年半後に札幌に移動になった頃、親父がパソコン買ってあげるといってきて、さぞや面白いものだと思っていたら、NEC9801っていうバリバリのオフィスコンピューターだったんです。僕が欲しかったのはMSXなのに、英語もわからない小学生からしたら「なんだこれ」って世界ですよね。

でも折角買って貰ったんで、何かしようと思って。当時はマニュアルみたいなものにチュートリアルみたいにプログラムが書いてあって、その中に「ほしぞら」というプログラムがあって、それを打って実行かけたらいわゆる黒い画面にドットが出てくる感じで。それを家族に見せたら、「星空っぽいね、きれいだね」と言われて、「ああ、よかったな」と思って。でも、データを保存しなきゃいけないということを知らないわけですよ、それで普通に電源を切っちゃって、翌朝もう一回見てみようと思ったら、全部消えててショックを受けて。で、これは「なにか知らなきゃいけないこと」を知らなかったんだなって思って、それで調べ始めたのがプログラミングのキッカケです。
何か作ると家族が喜んでくれたのが嬉しかったし、「圧倒的に何か知らないといけない世界なんだ」というのも思いました。

で、当時親父が今後はSEという仕事が社会的に重要な仕事になるといっていたんです。
SEという言葉が世の中に知られていなかった頃なんですけど。じゃあそれになってみたいなと思ったのがスタートですね。

その後高校の進路を考えたとき、室蘭工業大学というのは比較的情報関係とかを当時からしっかりやってて、そこに一番行っている高校を調べてみると、札幌東っていう高校が一番輩出している人数が多かったんです。それで、札幌東に進学して室蘭行ったんですけど、あまり僕が思っていたものと違ったんです。どちらかというと僕が思っていたのは、すぐに開発をするなりなんなりをして会社だったりとか社会的な側面で使えるものを教えてもらえると思っていたんですよ。でも違ってて、社会に出て経歴積んで何か作るってことをやったほうがいいなと思ったので、そのまま就職しました。

吉田さん

ユーザーのために僕は物を作りたいです、と転職

その後受託開発の会社に入るんですけども、【一ヶ月の中でこれくらい時間をかけました、それで僕の単価はこれくらいだからこれだけいただきます】みたいな世界だったんですよね。それでちょっと違うよなって思って、僕としてはもっと役に立つものを作りたいわけですよ。それで、一番最後の仕事で、僕が次のフェーズで必要な入口の部分みたいなものをサービス的に作ったんですよ。
で、そうしたら お客さんからするとすごく喜んでくれて、ぼくが意気揚々と会社に帰ったら、会社はあまり良しと考えていなかった。悪く言えば、「勝手にサービスするな。それは次の工程でつくるものだったのに何勝手にやっているんだ」と。当時まだ僕も大学卒業してすぐの頃で若かったから、もっとちゃんと作りたい!と強く考えるようになりました。

__受託開発会社は結局どれくらいいたんですか?

結局2年半くらいだったと思います。最後の方は、社長が名刺を持ってきたら、僕がそこにいって話を聞いて、設計して、提案して、自分で作って、納品して、でそれがトラブったら自分がメンテナンスしに行って、ハードの面倒もみて。今にして思えば、2年目でフルスタックやってたけど、それが苦では無かったんですよね。むちゃくちゃな働き方でしたけど(笑)。結構好き好んで開発をやってたこともありますから。経験を積みたかったという意識の方が強かったので。

で、次はどちらかというと利用者側のほうに転職して、売ってる側から買う側のほうに変わったんですよ。情シスに行くとある意味ですごく楽なわけですよ、僕からすると。見積もりを作らないで物を作っていける。僕からするとこれはすごく幸せな状況で、ユーザー部門の話を聞きに行ったりとか、お仕事一緒にさせてもらう、現場に立って部品の払い出しをするとか、品質のチェックをするとか、普通情シスってそこまでやらないんですけど、僕は割とそういうのが好きだった。製造業だったので中国の工場とかに出張しに行って中国人に使い方を教えたりとか、そういうのをやったりもしましたし。システムに限らず、ネットワークの関連にも取り組む機会がありました。

現在までで私の一番長い職歴は情シスなんですよ。他のメンバーもエンタープライズ側のところをやっていたので、例えばどういう風に稟議が回るのか、どうやって意思決定がされるのかとか、予算の考え方だったりとかっていうのは僕らは全員わかっているっていうのが、特殊なんだろうなと思います。

起業して、ユーザーと向き合える状態にしたかった

__起業されたきっかけ、独立されたきっかけってなんだったんですか?

元々同じ会社にいたメンバーで起業したんですが、今だから言えるけど、僕がもともと、前の会社を辞める時には起業したいなって思いがあったんですよ。漠然としてて今にして思えばゆるく起業しちゃったなっていうのはあるんですけど。
もうちょっとユーザーと向き合える状態にしたかった。会社の中でモノ作ってると言い訳しやすいんですよね。「(他の)誰かが作ったところだ」とか、「品質が悪かった」とか、それは営業や別の部門に対しても。もうちょっとそこに対してはコミットメントしたかったというのがベースだったんですね。

co-meeting

で、僕のそんな思いがあって、今代表をやっている木村にまず声をかけて。で、その時に同じ部署にいた遠藤君にも声をかけて、3人だけエンジニアで起業するのは物の見方が偏ってしまうし結構リスキーだなと思ったんで、マーケティングをやっていた矢野に声をかけて、4人のチームになったっていう感じですね。とは言え、もともと全員エンジニアですけど。当時、ちょうどCloudっていう言葉が台頭し始めて、自分たちも前の会社の時に、CloudでいうSaaSにトライしていたんですよ。で、このモデルを使ったらある程度うまく作っていくことができそうだなっていう感覚はあったので、それでやりましょうっていうのが決まって、全員ある程度コミットできそうだねってことで起業したって感じですね。

__起業当初大変だった事を教えてください。

最初は、日々の生活や運営に必要なお金を稼ぐ行為を後回しにしたんですよ。まず、「自分たちの名刺になるようなサービスが先にないと駄目だ」っていう思いがあって。最初の資本金を半ば食い潰す感じで。少しだけ前の会社から支援してもらえたんですよ、お仕事もらえたりとか、引継ぎの部分を仕事にさせてもらえたりとか。あと、付き合いがあったところからコンサル依頼もあったりして、最初の1年間はそこに支えてもらった状態ですね。それで、3か月間くらい篭って今のco-meetingの原型を作るっていう。最初は、そこを作ってある程度回せられる状態に作るまでがしんどかったですね。

co-meetingのベースで、Googleがやってたサービス(GoogleWave)のオープンソースを使ったんですね。当時Googleがそのサービスを止めるというアナウンスがあったんで、その残されたユーザーを全部こちらのユーザーにしようと。で、ヒイヒイ言いながらそれを実装して。エンタープライズで必要そうな機能がなかったんですよ、そのサービスに。で、その機能を独自で作って外側からくっつけたようなものがco-meetingなんですね。

Googleが(サービスを)止めるタイミングでサービスをリリースしたんですが、正式にローンチする一週間くらい前に、ライフハッカーの本家のほうで「co-meetingっていうサービスがGoogle Waveの正式な継承者として出ましたよ」って記事が出てたんですよね。

ただ、僕らとしても当てが外れたのは、思ったより人がいなかったんですよ。(笑) 最初のユーザーの8割が、海外のユーザで。日本のユーザーがいなくて。当時サービスの追悼会みたいなのもあったんですけど、本当にマニアックに使っている人しかいなくて。ただ、なくなったら困るコアなユーザーも何人かいて、そこは結局ウチに引っ越しをしてくれて、ウチもデータを引き継ぐサービスを先に作っていたので、何社かは「これで過去のメーカーのやり取りを無駄にしないでできる」って言ってくれたっていう。今でも一番僕らを支えてくれているユーザーさんになりましたね。

「パブリック クラウド えばんじぇりすと」と名乗り始めた経緯

__現在のCo-meetingや吉田さん自身の活動について教えてください。

着々と資本を食い潰していく中で、ある程度延命させるためのアプローチをしなければいけないと。その頃何回か講演依頼があって「クラウドとは何ぞや」みたいな話をしてて。その時ぐらいから「パブリックえばんじぇりすと」って名乗り始めて。ベンダーのエバンジェリストの方々はその会社のサービスの話がメインですよね。仕方ないんですけど。(クラウドサービスが)乱立し始めたりした状況だったので、フラットに色々なベンダーの話をする人がいなかったんですよ。だから僕はフラットですって言ってみるのもいいかなと。パブリッククラウドっていう一番大きい枠組み全体の伝道師って言うことであれば、どんな話でも出来るじゃないかと。「何調子こいたこと言ってるんだ」って思われるのも嫌だなって思いながらも、言って損はないだろうみたいなとおっかなびっくりに言い始めたのが今の活動のスタートですね。そしたら、色んなベンダーさんからチャンスとか、お声掛けを頂くようになった。

自分で書いたわけじゃないです(笑)、とのこと!

自分で書いたわけじゃないです(笑)、とのこと!

講演する前に、「僕は一応(どのサービスにも)コミットメントしてないし、どのCloudの話もします。ただ、それぞれのCloudの良いところの話はするが、悪いところの話はするつもりもないし、ユーザーが判断できる材料は提供するけど、あなたはこっちを使うべきみたいな話はなるべく言いません」と。結局背景に情シスというのが僕にはあるのでその時の感覚から考えると、ここはこういうメリットがあるみたいな話をできるわけですよ。

__ユーザー側の視点というか。

はい。なので、そういう活動をし始めていったら、お話させていただく機会も増えて、多少フィーを頂けるようになったので、これで活動しましょうみたいな感じに内部的にも認めてもらえた。そこでできたご縁から他のメンバーの仕事にも繋がったりとかして。で、ウチの人間は静かな奴が多いので、あまり外に出て話さないんですよ。なので、僕が話をすることで、co-meetingの広告塔みたいな感じに。

__広報活動にもなっているわけですね。

そうです。なので、「CTO」というのはChief Talk Officerの略ですって言ってます。(笑)

co-meeting

co-meetingの操作画面。

__吉田さんは今後5年後10年後どうしていきたいってのはありますか?

もともと、会社に属していた時からずっと新入社員教育をやってたんですよ。だから、その感覚が今もずっと続いている感じがあるんですが、この業界って人数減ってるんですよね。
専門学校の数も減ってきているし、大学とかに関してもそうですし。なので、この業界の仕事は楽しいし社会的に役に立てるお仕事だっていう事をもっと知ってもらいたいというのはありますね。そこに関しては今後もたぶんライフワーク、テーマとしてやってくのかもしれないです。
総務省の調査データを見ると国内って、企業数で見ると3割くらいしかクラウドって使っていないんですが、アメリカだと今の時点でもう6割とか7割近い会社が使っているんですよ。ということは、これから5年間ってクラウドというものが当たり前になっていくという時代なので、もっとベースのエンジニアを増やしていく、市場として広げていくみたいなところに関しては今後もずっと力を入れていきたいなと思っています。

そして、それが当たり前になって僕が40後半位になった頃、今の先輩方がやっているような、その後続を育てるというか、僕がこういった話をするようになったのを育ててくれた人たち、そっち側に回りたいですよね。僕としてはそっちのほうにコミットメントしていきたいなと思います。

__それを踏まえて、吉田さんが抱いている信念みたいなものを教えてください。

これね、自分自身に言い聞かせているところなんですけど、お金が無かったり自分がやってる事に不安があると、手が出せなくなるじゃないですか、鈍るというか。で、更に悪化してくるんですよね。信念であるとか、自分が出せるもの取り組めるものにきっちりと力強くやっていく事がやっぱり重要ですね。
僕としては常にこうやって話をすることもそうなんですけど、「たぶん良いこと言ってるに違いない」と鼓舞してまして。かなり弱気な人間なんです。そうは見えないらしいんですけど(笑)そんな感じでやってます。

吉田さん

Cloudで漠然と困っている人がいたらぜひ僕に紹介して欲しいなと(笑)

__最後にPROsheetについて一言お願いします。

フリーでコンサルとかアドバイザーとして入るのってすっごい辛いんですよ。凄く大変でやっと最近契約して1年以上っていうお客様がいるくらいの状況になれたんです。業界的に著名な人であればいいんですけど、誰かが証明してくれないとアピールってなかなか難しいんですよね。ああいったサービスがあって、エージェントに対する信頼度が結果として第三者による品質保証になって働けるワケじゃないですか、そういう意味では凄く良いサービスだなぁと思います

あと、これからサービスやモノを作らないといけないときにCloudで漠然と困っている人がいたらぜひ僕に紹介して欲しいなと(笑)
そう意味でもこのサービスは期待しています。ぜひ僕も(笑)そういう方面でエンジニアあがりじゃない経営者が困ってたら役に立てるかもしれないんで。

週2日やればあと3日は好きな事出来るのっていいですよねバランスが難しいんです。起業したりフリーランスになるって好き好んでやってるので、ブラックとかいってる場合じゃないんですよね。僕も24時間態勢くらいの気持ちでやってるので、そういう意味で自分達をサポートしてくれるサービスがあるのは心強いですね。

以上、吉田さんのインタビューをお届けしました。ご協力ありがとうございました!

「好きで活きて得意で稼ぐ」を支える。週2回の開発・デザインディレクションお仕事紹介

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